相続人が複数いる実家(共有名義)はどうなるのか
親の家を兄弟姉妹で相続すると、話し合いがまとまるまで家は「共有」の状態になります。 共有のままだと、できることとできないことがはっきり分かれます。 あわせて、相続登記の費用を補助している自治体8件を載せました。
全員の同意が要ること、一人でできること
- 家全体を売る・解体するには、共有者全員の同意が必要です(民法第251条)。一人でも反対すると進みません。
- 自分の持分だけを売ることは、他の共有者の同意なくできます。ただし買い手は限られ、価格は「全体の価格×持分の割合」より低くなるのが普通です。
- 話し合いがつかないときは、裁判所に共有物の分割を求めることができます(民法第256条・第258条)。
- 連絡の取れない共有者がいる場合、2023年4月からは裁判所の決定を得て、その人の持分を含めて売れる制度ができました(民法第262条の3)。
空き家の解体補助を申請するときも、共有者全員の同意書を求める自治体があります。
相続登記は義務になった
2024年4月1日から、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の相続登記が義務になりました。 正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。 それより前に発生した相続も対象で、期限は2027年3月31日です。
売るときの税金の特例も、人数で変わる
相続した空き家を売ったときの3,000万円特別控除は、2024年1月以降の売却では、 相続人が3人以上いると1人あたり2,000万円になりました。適用には期限と細かい要件があります。 詳しくは国税庁のタックスアンサー(No.3306)か税理士にご確認ください。
相続登記の費用を補助している制度(8件)
国の空き家対策支援制度データのうち、実施中の制度で概要に「相続登記」を含むものです。 多くは空き家バンクへの登録などを条件にしています。
- 福島県いわき市 空き家バンク活用支援事業(相続登記)
- 福島県喜多方市 空き家相続登記等支援補助金
- 茨城県東海村 東海村空家等対策支援補助事業
- 長野県須坂市 空き家活用事業
- 兵庫県尼崎市 相続登記費用及び遺言書作成費用に係る補助金
- 兵庫県赤穂市 空き家情報バンク活用支援事業補助金
- 兵庫県新温泉町 空き家等相続登記支援事業
- 山口県岩国市 空き家情報登録制度登記費用補助金
考えられる選択肢
- 一人が引き継ぎ、ほかの人にはお金で精算する家を取得する人が、ほかの相続人に代わりのお金を払う方法(代償分割)です。
- 全員で売って、お金を分ける家を売って代金を分ける方法(換価分割)です。全員の同意と、売り先が必要です。
- 自分の持分だけを手放す話し合いが進まないときの最後の手段です。共有持分を買い取る業者があります。
このページは法律や制度の一般的な仕組みをまとめたものです。個別の物件で何ができるかは、登記・道路・自治体の条例で変わります。判断は司法書士・弁護士・自治体の建築指導課などにご確認ください。
売ることも考えているなら
全員で売ると決めたとき、まず必要なのは「いくらで売れるか」という共通の数字です。査定額が一つあるだけで、相続人どうしの話し合いが具体的になります。
申し込みは、物件の売却を検討している方が対象です。 査定額が分かれば、解体費や持ち続ける費用と比べられます。
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